はじめに
システムエンジニアとして日々開発をしていると、「エラー処理がもっと整理されていれば」と感じる場面は少なくありません。前回のエラーハンドリングの記事から一歩進み、単純に try…catch でエラーを捕まえるだけでなく、発生したエラーが「入力ミス」なのか「ネットワーク障害」なのか「システム内部エラー」なのかを区別する仕組みがを作成できれば、エラーの原因調査もやりやすくなります。
今回は「カスタムエラークラスの作り方」についてログとして記載していきたいと思います。
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カスタムエラークラスとは
JavaScriptには標準で Error クラスが用意されていますが、これを拡張することで、エラーの種類を明確に区別できるカスタムエラーを作ることができます。
構文
- extends Error :標準Errorを拡張
class クラス名 extends Error {
constructor(message) {
super(message); // 親クラスErrorのコンストラクタ呼び出し
this.name = "CustomError"; // エラー名を独自に設定
}
}
例1:バリデーションエラーを定義
ユーザー入力が不正な場合に、エラーを発生させる例になります。
class ValidationError extends Error {
constructor(message) {
super(message);
this.name = "ValidationError";
}
}
function validateUsername(username) {
if (!username) {
throw new ValidationError("ユーザー名が入力されていません");
}
if (username.length < 3) {
throw new ValidationError("ユーザー名は3文字以上必要です");
}
return true;
}
try {
validateUsername("test"); // エラーを発生させる
} catch (error) {
console.error(`${error.name}: ${error.message}`);
}
例2:NetworkError(通信障害用)
class NetworkError extends Error {
constructor(message, statusCode) {
super(message);
this.name = "NetworkError";
this.statusCode = statusCode;
}
}
async function fetchData(url) {
const response = await fetch(url);
if (!response.ok) {
throw new NetworkError("API通信に失敗しました", response.status);
}
return await response.json();
}
エラーログ管理の重要性
カスタムエラーを定義しただけでは不十分で、ログとして残すこと が重要です。「発生時刻」「種類」「スタックトレース」まで詳細なログを残すことでエラーが発生した際に迅速にエラー箇所の特定が可能となります。
console.error(`[${new Date().toISOString()}] ${error.name}: ${error.message}`);
まとめ
今回取り上げたカスタムエラークラスを使えば、ただ「エラーが出た」という曖昧な扱いではなく、「何が原因で、どの種類のエラーなのか」 を明確に分類できます。そしてエラーログ管理を組み合わせることで、運用フェーズにおいても障害の切り分けや改善がスムーズになります。
また、ユーザーにはシンプルで安心感のあるメッセージを返しつつ、内部では詳細なログを残す。この二重の仕組みがあることで、ユーザー体験を損なわず、開発・運用側も安心して対応できるシステム設計が実現可能です。
日々の開発で適切にエラー処理を行い、ログも残していきましょう。
最後に
JavaScriptの環境構築は、この記事を参照してみてください。
【JavaScript】VSCodeでJavaScriptを使用するための環境構築を実施する – SEもりのLog JavaScript
以上、ログになります。
これからも継続していきましょう!!
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